悪者

  • 2018.07.30 Monday
  • 08:34

琵琶湖博物館には様々な展示があるがちょっとびっくりしたのが外来種たちの展示。ブラックバスやブルーギル、ウシガエルらは里山をそっくりそのまま移設したかのようなテラリウムでの生体展示。可愛いウシガエルが1匹、バツが悪そうに草むらから私を見ていた。私もウシガエルを見つめた。ウシガエルはイネ科の背の高い草に隠れているつもり。しかし私とウシガエルとは互いに見つめ合う瞳が離れない。可哀想なウシガエル、貴方は悪くないのにね、あのね、私も外来種だから。

ドライブ

  • 2018.07.30 Monday
  • 04:45

夫くんがマイカーを買い替えた。車種は同じ、しかも色も同じ。なので周囲には買い替えたことは知られないが板金屋の友人は一目で気付いた。ワンオーナー屋根付きガレージ保存18年間で四万kmだと説明するとこりゃ上物だと友人は溜息をついた。エンジンを修理して全塗装してもお釣りがくるのでは?と苦笑した車屋さん。この車種の価値がまるでわかってないんである。


購入翌日早速琵琶湖へドライブ。往復160km。私が物心ついたころ初めて乗った自動車はトヨエースというトラックだった。ベンチシート。助手席から見たあの景色を私は今も忘れない。この子もベンチシート。乗り心地トヨエースに似てなくもないな、と浮かれる私に夫くんはそうなの?と首を捻る。さてさてドライブへGO!

D番号

  • 2018.07.29 Sunday
  • 03:49

D(ドイチュ)番号は千曲ほどあるシューベルトの曲のカテゴリーを問わず曲が作られた順で数が振られている。マッシュルーム(注:シューベルトのことです)が初めて作ったオペラは「双子の兄弟」。どんな感じの曲だったのだろうかと聴いてみたくなりyoutubeで検索。そんな時はD番号が便利なんである。さてオペラでの実力を発揮したシューベルトが同業からの批判を受ける。シューベルトがちゃんとした音楽教育を受けておらず当時当たり前とされた音楽の形式を充分に踏襲していないという理由から。しかしながら美しいメロディに決まり事などない筈だろうととある音楽家が自分のオペラの新作のうちの二曲をこっそりマッシュルームくんに依頼。はたしてマッシュルームくんのこの二曲は大喝采だったんである。youtubeでD番号723/2を歌うダニエル・ベーレは最新作のシューベルトアリア集のラストにもこの歌を持ってきていた。ダニエル・ベーレ、ホームページだとイケメンなんだけど歌ってる彼は何とも言えずマッシュルームっぽいぽい。ダニエル・ベーレ良いなあ。オペラってのはキャッチーでいーなー。

ピアニシモ

  • 2018.07.26 Thursday
  • 15:51

じゃ幸雄はクラシック音楽なんかも好きなわけ?私は尋ねてみた。幸雄がクラシック音楽に詳しかろうと実際にはどうでもよかった。何か言わなければならないような気がした。幸雄はテレマンとバッハのオルガン曲にとても詳しかった。中学時代のピアノレッスンで、彼はとある曲が好き過ぎて、本来ならばチェンバロで弾くべきその曲たちをピアノで弾くことを強いられ不快だったこと、それからはピアノ教師といちいち対立をしたことなどを話した。単調な語り。言葉のひとつひとつには抑揚がなく首を傾げたり、苦笑しながら古典派の鍵盤曲は素晴らしいのだという幸雄の話は長く続いた。君はこんなこと興味ないだろうけれど。幸雄は短く息を吐いた。話は半分も理解が出来なかったが幸雄の語り口はいつも通りで話に虚飾が無いことが分かった。


ピアノって嫌だよねえ。少し長い沈黙の後私は言葉を発した。ここはピアニシモで弾いて、とかホント嫌。何、という顔の幸雄に対して私は自分が如何にピアニシモが苦手であるかということについて話した。幸雄は黙っていた。ほら記号とかあるでしょう、だんだん弱く弾くとかそういうやつ、イラッとしてくるんだよ、私アレがさ。すると幸雄が口を挟んだ。君、何才から習っていたんですか。私は鉄板の上で焦げてしまったお好み焼きの端をヘラでガジガジやった。

  • 2018.07.24 Tuesday
  • 05:06

韓国映画「最後の約束」を観た。ファンジョンミンとリュスンリョンがダブルで出ていた。2人を観たくて観終えたようなものだ。ファンジョンミンが勉強が苦手な哀しい大人を演じていたが上手いなあと思った。原題は「11人目の母親」というそうだがメインの子役の心象描写に深みが無かった。子役は健気であどけないまま。ファンジョンミンは敢えて人格に深みのない無責任な隣の叔父さん役を演じていたのだ。一体何が違ったのだろうか。スラム街。放置されて陽に灼けたソファに腰掛けるファンジョンミン。鉈を持って俺は約束をしたんだと泣きながら戦うファンジョンミン。私どんだけファンジョンミンのファンなんだろ。

研究

  • 2018.07.23 Monday
  • 07:42

グルタチオンは細胞内に有るんです。大学院での研究の為の学会帰りの友人 は食後のインスタントコーヒーを啜った。そのグルタチオンが働かないようにするグルタチオン拮抗剤をマウスに投与する。そのマウスたちに抗生剤を試すことで副作用が出易くなるんです。夫くんが頂いた桃のシュークリームを冷蔵庫から出してきた。しかし私はシュークリームを食べる気にはなれないのだった。副作用で使用不可となった製薬の謎を解明する。そう、既に市販されリコールされた製薬の欠陥を見つける訳ですよ。


副作用を顕在化するのにグルタチオン拮抗剤投与は定石なんですが私の研究っていうのはグルタチオン拮抗剤を長期投与されたマウスに血中筋由来物質の異常値があるということで。


グルタチオンはマウスも持っているがヒトの細胞内にもある。グルタチオンのおかげで私たちの体は酸化せず又グルタチオンは毒を排出し体内を清掃する仕事をしてくれている。つまりマウスの筋肉が溶けてるってこと?そうです‥‥。話しながら彼女もまた桃のシュークリームを食べる気になれない。





  • 2018.07.23 Monday
  • 01:30

今日市場で新鮮な鰯をGET。酢漬けにした。背骨を外して塩をして30分後、生の青唐菓子とかニンニクとか粒胡椒とかで香りをつけた酢を上からターっと掛け回して冷蔵庫で保存。夫くんはNetflixの腹ペコフィルで見たスペインの食べ方でバターを塗ったプンパニッケルに玉ねぎやハムと一緒にのせて食べていたが私は鰯単体で日本酒の肴にした。


数日前Amazonで80円で買った中村守純という人の書いた原色淡水魚類検索図鑑というのをこつこつ読む。この図鑑は1963年発行。図書館で借りた改定版は一冊二万円の高値が付いていたが状態がそうでもない旧写植のこの古書はとても安かったんである。


最近「水曜どうでしょう ユーコン川160キロ〜地獄の6日間〜」を繰り返し観ている。このシリーズの「グレイリング飯」の回を観たとき突然吐き気を催したのだがそれは熱中症だった。そうとは知らずユーコンでの連日数十キロもの手漕ぎカヌーでの川下り、眠れない白夜のテント生活の日々をまさか一生懸命に見過ぎたせいなのかと真剣に悩んだりした(んなわけなかろう)。


グレイリングはキタカワラマスという魚だがこの図鑑には載っていなかった。そもそも淡水魚の種類は膨大で中村という人はこの本には175種のみを記載していますと前書きにも書いている。それでも全種類のカラー写真(殆どが生体だが稀にホルマリン漬け)と体長等の平均値を記載していて素晴らしい。ちなみに二万円の改訂版は174種で購入した古書は175種だった。一体どの子が省かれたのかな。


私は小学生のときイトウという北海道の魚に憧れていた。当時知り合いの何でも屋のおじさんが私にプレゼントしてくれた淡水魚図鑑でイトウという魚を知る。幻の巨大魚イトウ。クラスには伊藤くんという子がいて伊藤っていう苗字いいよな、などと思ったりした。


大人になり江戸にハマったころはタナゴに夢中になった。朱塗りの重箱に整頓されたタナゴ釣りの一式に憧れたものである。カネヒラやイタセンパラなど謎めいた名前がまた良い。雌のタナゴは排卵管を長く伸ばして二枚貝に卵を産み付けるそうである。二枚貝がタナゴの卵を抱いて5度以下の水温の冬越しをしなければ卵は孵化しない。ブラックバスやブルーギルなどの外来種の繁殖にも絶滅しないのには訳が有ったことを知ってなかなか興味深い(それでも品種によっては絶滅寸前なのだそうです)。淡水魚図鑑。面白いです。


  • 2018.07.21 Saturday
  • 22:25

君、ピアノを習い始めたのは何才だったんですか。丼を箸でぐるぐると混ぜながら幸雄が言った。私の前に生のむきエビが二匹載った丼が置かれていて、これ混ぜるの、と私が訊くといや君の分も僕が焼くからと幸雄は言った。店内はお好み焼きのソースの香ばしい匂いが立ち込めていた。がやがやと騒々しい狭苦しい店だった。テーブルの調味料入れは皆ステンレス製でどれもピカピカに磨かれていた。幸雄が手際良く目の前の鉄板でお好み焼きを焼く。かき混ぜ方が大事なんだ、こう空気を含ませてね。


さっき駅で幸雄とばったり会った。乗ろうかやめようか、券売機の前で迷っている私に幸雄は偶然を装って声を掛けたが線路沿い、私の少し後ろを幸雄が歩いていることが私には分かっていた。小さい時から習ってるのかと尋ねられ私は小さく首を振った。僕は3歳から習ってるんだよねと幸雄が言ったので私は驚いて焼き上がったお好み焼きを食べようと伸ばしたヘラを戻してしまった。食べてよと幸雄が笑った。高校受験を機にピアノレッスンを辞めたこと、今は時々部屋でエレクトーンを弾いたりシンセサイザーで音を作ったりすること、幸雄は話し続ける。子ども時代の僕は作曲家になることが夢だった。柄にもなくね、と付け足して幸雄は又笑った。唖然とする私に君歯に青海苔付いてるよと意地悪を言ったがそれはどうやら照れ隠しだったようだ。私は笑顔を返した。


午後10時、呼び出されて出掛けた。修は公園の街灯に背中をもたれ掛けて立っていた。遠くから見た修の影は5歳の時、私と修が初めて出会った日の後姿と何も変わっていない。たちまち切なく哀しい感情が沸き起こる。修に会う時はいつもそうだった。


ジムへ?うん。ジムってボクシング?うん。寿司屋はどうしたの?辞めたよ。金貯めて中型免許取ってバイクも買った。修は私の顔を一度も見なかった。今何処にいるの?姉貴のとこ。お姉さんて九州の?うん、結婚して旦那とこっち引っ越して来たんだよ。次の仕事決まるまで厄介になってるけど姉貴がお前んちのオヤジに話つけてくれて俺またお前んとこの店で働かしてもらうことになったんだけど今日はちょっと話があって。何?いやいいわ、来てくれてありがとう、てことでまた世話になるわ。修は走り去ったかと思うと振り返りシュッシュッとシャドウボクシングをやってみせ手を振って暗がりに消えていった。

ぐうたら

  • 2018.07.20 Friday
  • 19:37

ここ数日で観た映画記録。「ティマイ希望のベトナム」。恋人にふられた売れない俳優アンドレスの渾身の演技。妻を失った僕から娘までも取り去るのか。通訳のベトナム人ダンが思わず通訳をしそびれる程。全く言葉が通じていないにも関わらず役人は圧倒されてティマイをアンドレスの腕に託した。小ネタ盛り沢山。綺麗目の女優さんがドリフみたいにスープ吐き出す場面とかすごく上手でした。色々良かったから2、3日経ったら又見よう。

 

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」少し前だったから題名をすっかり忘れてたけど『デカプリオ詐欺師』で検索したら速攻で判明。作業服姿のお父さん役のクリストファー・ウォーケン。イケメンで雰囲気は悪人。ひょっとしたら彼がデカプリオでもこの映画撮れたんじゃないか(日本語がおかしい)。やはり親子(いや他人です)。

 

「男はつらいよ 第33作 夜霧にむせぶ寅次郎」。フーテンの風子は実はフーテンでもなんでもない。ヒトは寂しいから故郷をもとめる。フーテンは寂しいから故郷を飛び出して旅に出る。これフーテンの原則。すんなりと誰かにくっ付いて行っちゃう風子は飼い猫希望の暫定ノラ猫。まあサーカスの人カッコいいから付いていくよね。

 

「水曜どうでしょうアメリカ大陸横断 1999年 全8話」シューベルト聴きながらカエルと淡水魚の図鑑を見て、ちょっと休憩で'水どう'観るかって感じが軽く感動。数年前初めて見た頃には誰だこのしゃがれ声のガハガハ笑いのおっさんとか嫌だったはずなのになんだろうこの心地よいぐうたら感。ああもう図鑑にもシューベルトにも戻れない。出掛けたいんですよ、もういい加減お外に(夏風邪が長引いています)。

現実

  • 2018.07.19 Thursday
  • 08:26

夕べ夫くんと2人で「ネバーランド」を観た。私はといえば「ネバーランド」をここ数日で三回観た。朝起きる。空を見る。あああの泣くまい泣くまいと全身を震わせていたあの少年は今頃どうしているだろう。再び映画「ネバーランド」を覗き込む。


現実の本当の意味を知った瞬間からヒトの創作活動は真に意義あるものに。負荷さえ有ればいい訳じゃない、足りない何かを切実に求めているか否かが境目だ。連日連夜の私のネバーランド語り。外も暑いがうちも熱い。こうして夫くん、ほんじゃ俺もいっぺん観るわ、となったわけである。


映画中盤、夫くんは泣きっぱなし。ラストシーンの少し前、危篤状態の母親と子どもたちのためにリビングでお芝居が始まるところだった。俺もう寝るわ。ねえ逃げるの?貴方はいつもそうやって現実から目を逸らしてる!私は無理やり彼にネバーランドを魅せ続ける。さあ思い切り泣くが善い、そして明日も暑い中仕事へ行っておくれ。

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